国民の税金は軽減できる?

改革に伴う損失処理は、どのような形であれ国民の負担になる。ただ、その負担を税金の形で負担してもらうのは、無責任になりがちである。

例えば、旧国鉄債務は、「国鉄」という言葉すら知らない一九八二年生まれのたばこを吸う若者(五歳の時にはもう「国鉄」はなくなっていた)に、「たばこ特別税」なる税金で債務返済のための負担を強いている(ひょっとすると、この若者は「たばこ特別税」すら知らないかもしれないが)。喫煙は健康によくないが、国鉄の債務と喫煙は何の関係もない。税金で負担してもらうにしても、責任の所在を明確にして適切に課税できればよいが、しばしば「取りやすいところから取る」という無責任な方法で負担を強いる政治的決定が行われる。

だから、損失処理の第一段階では、税金の形での国民負担をいかに減らすかを考える必要がある。税金以外の方法でも処理しきれないなら、税金で負担してもらうという第二段階へ進むべきである。国民の税負担を減らすには、特殊法人・自治体への融資に対する貸し手責任を問い、損失処理の負担を負わせることも必要となってこよう。

ただし、貸し手がその負担に耐えられるかどうかが重要なカギとなる。特殊法人や自治体に対する直接的な貸し手である資金運用部は、この負担に耐えられるだろうか。資金運用部(現・財政融資資金)の二〇〇〇年度末における貸借対照表によると、資金運用部の(自己)資本は約九兆円しかない。自己資本比率(=資本÷資産)では約二%しかなく、健全な民間金融機関に比べてはるかに低い。資金運用部は、今後起こりうる特殊法人や地方自治体への融資での貸倒れリスクに十分に備えができていない状態である。

そんな資金運用部に貸し手責任を負わせようとしても、自己資本不足から損失処理の負担に耐えられない状況にある。郵便貯金特別会計の自己資本は約九〇〇〇億円、自己資本比率はなんと〇・三五%しかない。郵便貯金も、財政投融資にかかわる損失処理に対して、自己資本不足から負担に耐えられない状況にある。最後に、年金積立金だが、現時点で既に将来給付に充てるべき年金積立金の積立不足が発生しており、とても追加的な負担に耐えられない。

したがって、今後生じる損失処理の負担は、負担能力からして、最終的に大半を国民の税金負担に求めなければならない。そうなれば、次善の策として、受益と負担のリンクを可能な限り関連付けるように負担を求めるべきである。例えば、特定の地域に多く便益が及ぶ特殊法人が事実上破綻して処理する場合は、その地域に対する地方交付税や国庫支出金を削減して損失処理の財源にする、といった方法が考えられる。

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