財政破綻の予兆国債、地方債、それ以外に特殊法人などの貸倒損失と、これ程多くの借金を抱えた国、地方自治体が、今のまま放漫財政を続けていて大丈夫だろうか。

国民として、当然ながら、国や地方自治体の財政破綻を心配してしまう。その半面、景気の先行きが危ぶまれ、財政赤字を増やしてでも財政政策で景気回復を図るべしとする主張も、依然強くある。国や自治体の借金は、このまま増やし続けても財政破綻の憂き目に遭わず大丈夫なのだろうか。その答えはNOである。このままの財政運営を続ければ、国や自治体の借金は持続可能でなく、将来のいずれかの時点で財政破綻する状態にある。

これが、経済学の最新の検証方法を用いて分析した結果である(その詳細は、井堀利宏・土居丈朗『財政読本(第六版)』東洋経済新報社刊を参照されたい)。

政府がこれまで景気変動に対して採ってきた財政運営(特に、不況時に財政支出増加や減税のために国債を大量発行する運営)を続ければ、将来利払いや返済が滞るほど、今の財政赤字が巨額になっている、と経済学の分析が示されたのである。もし国や自治体がデフォルト(債務不履行)したら、どのような現象が起こるだろうか。

現実的には、金融市場が発達している現在において、デフォルトになる前に、国債金利の上昇が先に出てくるだろう。一九九八年に起きたロシア政府のデフォルトでもそうであるように、借金の返済が危ぶまれれば、その度合いに応じてリスク・プレミアム(この場合、破綻の危険に直面する借り手に、貸し手が余分に高い金利をつけて破綻したときに被る損を予防するもの)などが上乗せされた高い金利に上昇する。

だから、いきなりデフォルトが起こるとは考えにくい。少なくとも現在では、国債や地方債を発行し続けることができているし、金利も世界で最も低い水準にあって、デフォルト前の金利の上昇は見られない。つまり、国や自治体は将来返済してくれるだろうと信用されている。

しかし、「だから大丈夫だ」とは言えない。財政破綻の兆しは、現時点でもいくつか確認できる。その一つが、国債の満期構成の短期化である。国債が累増する状態で国債の平均満期が短くなることは、経済学で考えれば日本政府のデフォルト・リスク(破綻する危険)が高まっていることを意味する。それだけ国債購入者が「日本政府に長期間お金を貸すと返済してくれないかもしれないから、長期間貸せない」と間接的に示唆している。

前に述べたように、日本の財政制度では、国と地方自治体の財政は一蓮托生だから、国がコケれば自治体もコケる。

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